がん検診 コラム 婦人科受診 未分類

子宮体がんの検診は、何歳から受け、何年ごと、何歳まで受ければよいの?

 

 

 

 

子宮体がんの検診について質問を受けました

 

「子宮体がんの検診は、何歳から受ければよいのか、何年ごとに受ければよいのか、何歳まで受ければよいか?」質問がありました。

 

健康診断の時に子宮頸がんの検診は毎年受けているけれど、体がんの検診は受けたことがないという方も多いと思います

 

最近子宮頸がんのことは予防ワクチンのこともありメディアに取り上げられたりして情報は入りやすいのですが、子宮体がんに関しては情報が少なく不安に思っている方も多いと思います。

 

この疑問についてお答えしますね。

 

 

子宮頸がんと子宮体がん

子宮は、体部と頸部に分かれます。

 

子宮がんは、子宮体部にできる「子宮体がん=子宮内膜がん」と、子宮頸部にできる「子宮頸がん」に分類されます。

ゆえに子宮がん検診には、「子宮頸がん検診」と「子宮体がん検診」の2種類があり細胞を採取する場所が違うものです。

 

子宮頸がんは若い時から発症する可能性があるので20歳以上の方は2年に一度のがん検診が推奨されています。

 

一方子宮体がんは、40歳代後半からリスクが上昇し50歳から60歳代がピークになることから40歳後半ごろからがん検診を受けることを考えたほうがよいでしょう。ただし何歳以上必ず・・など・・など定められたものはありません。

 

健康診断のオプションなどでは子宮がん検診というと子宮頚がん検診を指していることが多く、子宮体がん検診を受けたい場合は、「子宮体がんも調べてください」と言ったほうが良いでしょう。

 

子宮体がんとは

 

さて子宮体がんの場合、最も多い自覚症状は出血です。

 

がん情報サービスのサイトでは以下のように書かれています。

 

月経ではない期間や閉経後に出血がある場合は注意が必要です。出血の程度には、おりものに血が混ざり、褐色になるだけのものもあります。他には、排尿時の痛みや排尿のしにくさ、性交時の痛み、下腹部の痛みなどの症状があり、進行した場合は腹部膨満感(おなかが張る感じ)があらわれることもあります。

 

子宮体がんは、エストロゲンという女性ホルモンの刺激が長期間続くことが原因で発生する場合と、エストロゲンとは関係ない原因で発生する場合があります。

 

エストロゲンが関係していると考えられる原因には、出産経験がないこと閉経が遅いこと肥満、エストロゲンを産生する腫瘍があげられます。その他に、乳がんの治療で使われるタモキシフェンや、更年期障害の治療で使われるエストロゲンを補充する薬を単独で使用することが、子宮体がんの発生に関係しているといわれています。ただし、エストロゲンについては、黄体ホルモンを併用することによって、子宮体がんの発生する危険性が高くならないことがわかっています。

 

エストロゲンとは関係ない原因には、糖尿病、血縁者に大腸がんになった人がいること、遺伝性腫瘍の1つであるリンチ症候群があります。若くして大腸がんや子宮体がんになった家族や親戚がいる場合は、「遺伝性腫瘍」もご参照ください。

                              (アンダーラインは佐藤がつけました)

https://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/prevention_screening.html

 

子宮体がん検診について

 

「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針 令和4年」では、子宮頸がん検診に関しては記載があるのですが、子宮体がんについては、記載がありません。

https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000991054.pdf 

 

 定期的に受けたほうが良いという推奨はされていないようです。

 

次に私が勉強させてもらっている重見大介先生のニューレターには、以下のように書いてありました。

https://daisukeshigemi.theletter.jp/about

 ↓

(中略) 大事なポイントは「不正出血などの自覚症状がない人に検査をしても、がんが見つかる頻度が低い(=ふるい分けとしての精度が低い)」ことです。

 

つまり、仮に40代以降の女性と年齢制限を設けたとしても、無症状の全ての女性に対して検査をすることによるメリットよりも、デメリット(身体への負担がかかる、がんを見つけられる頻度が低い、費用に見合うだけの効果が期待できない、など)の方が上回ってしまうと考えられているのです。以上の理由から、子宮体がん検査は「定期検診」に定められていません。

 

 

 

結論は

子宮体がんについては、現在は指針として定められているがん検診ではありません。

 

私が解釈したのは、年齢などに関係なく不正出血(月経異常や褐色帯下も含む)や排尿時の痛み・排尿しにくい・性交時の痛み・下腹部の痛み・腹部膨満感(おなかが張る感じ)などの自覚症状がある時には、健康診断時などのがん検診ではなく、もう即、婦人科を受診することのほうが大事ということです。

 

私の考え

 

というか、一番いいのは、定期的に婦人科の検診を受け、気になることがあれば相談して検査するというのが良いかと思います。

 

特に更年期障害の治療でホルモン補充療法を受けている方は、医師と相談し内診や超音波検査を受けながら必要時は、子宮体がん検診をしてもらうと良いでしょう。

 

婦人科以外でもホルモン補充療法の処方をしてくれるクリニックもありますが、定期的に或いは必要時に即、婦人科検診をしてもらえるという理由で、私は婦人科の医師からの処方をお勧めしています。

 

以前、ホルモン補充療法をしているけれど子宮があるのにエストロゲンしか処方されていず、黄体ホルモンを処方していないというクリニックがありました。

 

これは、スタンダードな治療方法ではありません。

 

ただし、その患者の状態に合わせて(まだ閉経前で自前の黄体ホルモンがある場合など)、黄体ホルモンを処方しないこともあるようです。

 

もしわからないことや不安がある場合は、別の婦人科の医師に相談してみたほうが良いと思います。

 

また、黄体ホルモンの薬を飲み忘れることが多いという方も要注意かもしれません。

 

もちろん、不安で少々痛いけど、検診を受けていた方が安心という方が受けてはダメという話ではありません。リスクが高い場合や家族歴などを考えて、デメリットよりメリットが上回る場合もあります。

 

子宮体がんになるリスクの高い人(出産したことがない、肥満、月経不順(無排卵性月経周期)がある、卵胞ホルモン製剤だけのホルモン療法を受けている方、糖尿病、血縁者に大腸がんになった人がいる場合)も含め、定期的に・・と考えるより、必要時に・・と考え、できれば婦人科のかかりつけ医師と相談しながら随時がん検診を受ける方が賢明かと思います。

 

婦人科の選び方と受診のタイミング・受診時のポイント

 

 

 

 

女性の健康に関すること、更年期に関する情報をメルマガでお届けしています。

 

更年期かな?更年期症状で困っている、どうすればよいの?と思っている方のお役に立つ情報です。

 

     ご登録はこちらをクリック ↓

 

相談したいという方は、こちらをクリック ↓

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

ハイジア 佐藤みはる

女性の更年期と更年期以降の健康をサポート・ハイジア代表  助産師・ウィメンズヘルスアドバイザー・メノポーズカウンセラー・分子栄養学アドバイザー。 助産師として大学病院に33年間勤務する。 2013年に退職しハイジアを開業。

-がん検診, コラム, 婦人科受診, 未分類

© 2025 助産師が支える女性の健康ーハイジア 更年期講座・講演・相談・講義(母性看護)・健康経営サービス