人生100年時代、閉経の平均年齢50.5歳と考えると更年期はちょうど人生の真ん中あたりに位置します。
更年期以降、残りの50年、なるべく健康でいたいものですよね。
2020年9月現在わかっている女性の平均寿命は87.32歳(2018年)です。
一方、健康寿命は2016年で女性は74.79歳でした。
健康寿命とは、ウィキペディアによると「健康寿命とは日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間のこと」と言われています。
つまり、今のに日本女性は約13年間、何らかの医療・介護を受けていることになるんですね。
医療や介護を受けた要因を見てみましょう。
下のグラフは「65歳以上の要介護者等の性別にみた介護が必要となった主な要因」です。
女性の場合は、1位が認知症、2位が高齢による衰弱ですが、3位は骨折・転倒です。
女性は、更年期を迎え、女性ホルモンのひとつエストロゲンが減少すると骨密度が減少します。
程度の差はありますが、女性が必ず迎える宿命です。
骨密度が減少しすぎると、骨粗しょう症になり骨折しやすくなります。
50歳の女性が、今後生きている間に骨折する確率は、椎体骨折が37%・足の付け根の骨折22%・手首の骨折17%と言われています。
50歳をすぎると、なんと3人に1人が背中の椎体骨折する可能性があります。
この骨折を起こすと、骨折後の5年生存率が60%、つまり10人のうち4人が5年以内に亡くなってしまいます。
寝たきりになることもあれば寝たきりにならないこともありますが、見た目には背中が曲がります。
背中が曲がると、胸郭も狭くなり、呼吸がしずらく十分な酸素をとりいれることができなくなります。
また、胃も圧迫されて、食欲不振や逆流性食道炎を引き起こします。
そしてやっかいなことに骨折したことに気がつかないこともあるのです。
椎体骨折は、他の部位の骨折のように、急激に腫れたり激しい痛みがあるわけではありません。
動いた時に、違和感や痛みを感じる程度のことも多いようです。
このように骨折すると、寝たきりになったり、安静が必要になったりすることでうつ傾向になったり筋力の低下、また刺激が減少することで認知力の低下などを起こしやすくなります。
つまり、骨粗しょう症を予防し、骨折・転倒を予防することで、健康寿命を延ばすことができます。
なんか想像がつきませんが骨も壊しては造るという新陳代謝を繰り返しています。
約3年遅くても5年ですべての骨が生まれ変わります。
骨の新陳代謝にエストロゲンが大きく関わっています。
下図は、エストロゲンの量と最大骨量の年齢による変化をあらわしていますが、2つのグラフはよく似ています。
これほど、骨とエストロゲンの関係が密接ということになります。
具体的にエストロゲンがどのように骨代謝に作用するか、お伝えしますね。
少し、ややこしいです。
更年期前で、エストロゲンが十分ある時は、骨の壊される量と骨を造る量のバランスがとれていて、健康な骨となります。
エストロゲンには、αとβという受容体が、細胞の中にあります。
骨の破骨細胞のエストロゲン受容体に血液中のエストロゲンが結合し破骨を増進させる因子を抑える物質を産生しています。
なので、壊し過ぎないちょうど良い量を壊します。
一方で、骨芽細胞にもエストロゲンの受容体があって、エストロゲンと結合することで骨芽を促進させる因子を増やす物質を産生しているので、骨がつくられます。
ところが、更年期に入りエストロゲンが減少すると、細胞内の受容体に結合するエストロゲンがないので、破骨細胞は、どんどん骨を壊してしまい、骨が細胞はそれに見合うだけの骨がつくられなくなります。
そのことによって、骨を壊す方が多くなりバランスが取れずに骨粗鬆症になってしまいます。
更年期を迎え、エストロゲンが減少し何も骨ケアをしないいると、必然的に骨量は下がっていきます。
ですから骨粗しょう症を予防し、骨折・転倒を予防する ことを遅くても更年期から始める必要があるのですね。
これが、更年期以降の女性に、骨ケアが大事な理由です。
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