医療職じゃなくても知っておきたい理由
2025年5月に、ホルモン補充療法(HRT)に関する最新のガイドラインが新しく発行されます。
「ガイドラインって、お医者さんが読むものでしょ?」と思う方も多いかもしれません。
でも、助産師・看護師・カウンセラー・エステティシャンなど、女性の健康を支える立場の人たちにとっても、とても大切な情報なんです。
今回は、「そもそもガイドラインってなに?」「なぜ医師ではなくても読む必要があるの?」という点を、わかりやすくご紹介します。
ガイドラインってなに?
ガイドラインとは、**ある病気や症状に対して、どんな治療や対応をするのがよいかをまとめた“公式な考え方”のことです。
たとえば、「この症状にはこの治療が効果的です」「こういう人には使わないようにしましょう」といった内容が、世界中の膨大な研究を基に書かれています。
医師や医療スタッフが同じ方向を向いて、安全で効果的な医療を提供するための「共通のルールブック」のようなものです。
ホルモン補充療法(HRT)ってなに?
HRTとは、更年期になると減ってくる女性ホルモン(エストロゲンなど)を薬で補う治療のことです。
ホットフラッシュ(急に顔が熱くなる)、寝汗、イライラ、不眠など、さまざまな更年期の症状を和らげる効果があります。
骨粗しょう症の予防にも使われています。
今回の新しいガイドラインでは、今の医療の考え方に合わせて、安全性や治療の選び方がアップデートされる予定です。
医師じゃなくてもHRTのガイドラインを読むべき3つ理由
1. 正しい知識を持つため
更年期の女性と関わるお仕事をしていると、HRTについて相談されることがあります。
私は相談をお受けしていますが、すでに受診して治療をしているけれど「この治療の選択でよいだろうか?」「やはりHRTは不安」「乳がんになるからやめた方が良いと家族や友人に言われた」不安だから相談したいという方が多くいます。
そんなとき、自信をもって話ができるように、HRTについて正しい知識を持っておくことがとても大事です。
「自分は医師じゃないから知らなくていい」ではなく、支援者としてのベースを持つことが、安心して話を聞いたり、必要なサポートにつなげるための力になります。
2. 医師の説明を補足できる
「先生にこう言われたけど、よくわからなくて…」
そんな声もよく聞きます。
ガイドラインの知識があると、医師の説明をやさしく言いかえて伝えることができます。
もちろん、診断や処方は医師にしかできません。でも、説明を補ったり、不安な気持ちに寄り添ったりするのは、私たちにもできることです。
3. ガイドラインと違う処方に気づけることもある
現場では、医師によって治療の考え方や処方が少しずつ違うこともあります。
ときには、「あれ?ガイドラインとは少し違うな」と感じるケースに出会うことも。
以前ご本人は更年期の治療と説明を受けていましたが、内容は不妊症治療の薬だったことがあります
そういったときにガイドラインを知っていれば、ちょっと違うかもと「ほかにも選択肢があるかもしれない」と気づけますし、女性が納得して治療を選べるようサポートできるようになります。
新しいガイドラインはどこで読めるの?
HRTのガイドラインは、日本産科婦人科学会や日本女性医学学会などの団体が出しています。
発行されたら、書籍や学会のサイトで公開される予定です。
予約はコチラ ↓ からできます。
医療者向けに書かれていますが、最近では非医療者でもわかりやすく学べるように解説してくれる本やセミナーも増えています。
「難しそう…」と感じる方は、そういったやさしい解説からスタートしてみるのがおすすめです。
まとめ|HRTとガイドラインは、支援の“土台”になる知識
ホルモン補充療法のガイドラインは、お医者さんだけのものではありません。
女性の体や心を支える仕事をしている人にとっても、正しい知識を持っておくことが信頼につながります。
2025年に改訂されるHRTのガイドラインは、これからの更年期ケアに大きく関わる大切な情報です。
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