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プラセンタサプリメントは更年期や美容の悩みを解決してくれるのか?

 

プラセンタサプリメントは更年期や美容の悩みを解決してくれるのか?

── 助産師が医学的に整理する「期待できること・できないこと」

はじめに

プラセンタはなぜ、更年期と美容の両方で注目されるのか

プラセンタという言葉を聞くと、「更年期に良い」「肌がきれいになる」そんなイメージを持つ方は少なくありません。

実際、婦人科クリニックや美容クリニック、美容サロンの現場で、プラセンタのサプリメントを勧められた経験がある という声もよく聞きます。

一方で、

  • 本当に医学的な根拠はあるのか

  • 医療用のプラセンタ注射と何が違うのか

  • 更年期ケアとしてどこまで期待してよいのか

こうした疑問もよく聞きますが、、きちんと整理された形で目にする機会は多くありません。

そこでこの記事では、「プラセンタサプリメント」 に焦点を当て、助産師・更年期の専門家の立場から、更年期症状と美容の両面について医学的に整理します。

プラセンタサプリメントとは何か

プラセンタ注射はヒトの胎盤を用いていますが、日本国内では、法律によりヒト由来のプラセンタを食品(サプリメント)として販売することは禁止されていますので、市販されているプラセンタサプリメントの多くは、豚や馬由来の胎盤エキス を原料としています。

また大事な共通認識として必要なのは、サプリメントは医薬品ではない という点です。

  • 成分量や吸収率は製品によって異なる

  • 効果や安全性は医薬品ほど厳密に評価されていない

  • 「効く」と断定できるものではない

この前提を理解した上で、話を進める必要があります。

同じ「プラセンタ」という言葉でも、医療用注射製剤とサプリメントは、医学的に全く違うものです。

更年期症状に対するプラセンタサプリメントの医学的整理

更年期症状への作用は「ホルモン補充」ではない

更年期症状の大きな背景には、エストロゲンの低下があります。

しかし、プラセンタサプリメントはエストロゲンを直接補う ものではありません。

研究では、

  • プラセンタサプリメントを摂取しても女性ホルモン値自体は大きく変化しないにもかかわらず、

    • ほてり

    • 倦怠感

    • 不定愁訴
      といった症状の一部が軽減したという報告がいくつか存在します。

つまり、プラセンタサプリメントはホルモンの代替ではないが、間接的に作用するとが考えられているのです。

作用機序として考えられていること

完全に解明されているわけではありませんが、

  • 自律神経系への影響

  • 炎症反応の調整

  • 疲労感や代謝への関与

といった視点で研究が行われています。

重要なのは、「更年期を治す」「原因を解決する」ものではなく、症状の一部を和らげる可能性がある補助的手段という位置づけです。

美容目的でプラセンタサプリメントが選ばれる理由

なぜ美容の現場で勧められるのか

美容クリニックや美容サロンでプラセンタサプリメントが勧めらたという話も聞きますが、この背景には、いくつかの理由があると考えられます。。

  • 肌の乾燥やハリ低下に悩む人が多い

  • 更年期世代では「美容の不調」と「体調不良」が重なりやすい

  • ホルモン治療に抵抗感を持つ人も一定数いる

その中で、「医薬品ではない」「比較的ハードルが低い」プラセンタサプリメントは提案しやすい選択肢になります。

美容面での医学的見解

研究では、プラセンタエキスの摂取により、

  • 皮膚の水分量

  • 肌の弾力やキメ

  • 抗酸化作用

に関する改善が示唆された報告があります。

ただし、ここでも重要なのは、

  • 効果の程度は限定的

  • 個人差が大きい

  • 摂取量・期間・製品差の影響が大きい

という点です。

「飲めば若返る」「肌が劇的に変わる」という性質のものではありません。

更年期女性にとっての「美容」とプラセンタの現実

更年期は、単なる年齢の節目ではなく、

  • ホルモン環境の変化

  • 皮膚の菲薄化

  • 乾燥・たるみ・シミの増加

が同時に進む時期です。

美容の悩みは、更年期の身体変化の一部 とも言えます。

その中でプラセンタサプリメントは、

  • 栄養補助

  • 肌環境のサポート

  • 疲労感やコンディションの底上げ

といった役割であれば、一定の理解ができる選択肢 です。

婦人科・美容クリニック・美容サロンが勧める理由をどう捉えるか

ここで大切なのは、勧めている=万能であるという短絡的な理解をしないことです。

医療や美容の現場では、

  • 安全性が比較的高い

  • 劇的な副作用が少ない

  • 「何もしないよりは良い可能性がある」

こうした理由で提案されることも少なくありません。

現場の専門家が悪意をもって勧めているわけではなく、選択肢の一つとして提示しているというケースが多いのです。

助産師・更年期専門家として伝えたいこと

プラセンタサプリメントについて、私が最も大切だと考えているのは、

  • 期待しすぎないこと

  • でも頭ごなしに否定しないこと

です。

更年期ケアにおいて重要なのは、

  • 正しい情報を知ること

  • 自分の症状や価値観に合った選択をすること

  • 必要に応じて医療とつながること

プラセンタサプリメントは、主役ではなく、あくまでも脇役の一つです。

個人的には、反対はしないがプラセンタサプリメントよりもたんぱく質の摂取やバランスの良い食事を摂ることにお金をかけた方がよいのでは・・と思っています。

その位置づけを理解した上で、自分にあった対処法なのか冷静に向き合ってほしいと思います。

Q&A

Q1.プラセンタサプリメントは更年期症状に本当に効果がありますか?

A.
更年期症状に対して「必ず効く」と断定できるものではありませんが、一部の研究では、ほてり・疲労感・不定愁訴などが軽度に改善したという報告があります。

ただし、プラセンタサプリメントはエストロゲンを補う治療ではなく、更年期症状の原因そのものを治療するものではありません。

あくまで症状を和らげる可能性がある補助的な選択肢の一つとして考えることが大切です。

Q2.プラセンタサプリメントはホルモン剤の代わりになりますか?

A.
いいえ、ホルモン剤の代わりにはなりません。

プラセンタサプリメントがエストロゲンなどの女性ホルモンを直接補うという医学的根拠はありません。

ホルモン補充療法(HRT)とプラセンタサプリメントは、目的も作用もまったく異なるものです。

Q3.美容目的で飲むのは意味がありますか?

A.
美容目的で摂取する方が多いのは事実で、研究では、

  • 肌の水分量

  • ハリや弾力

  • 抗酸化作用

に関する改善が示唆された報告もあります。

ただし、

  • 劇的な若返り効果

  • 短期間での大きな変化

を期待するものではありません。

栄養補助や肌環境のサポートという位置づけであれば、現実的な選択肢といえます。

Q4.なぜ婦人科や美容クリニック、美容サロンで勧められるのですか?

A.
理由はいくつかあります。

  • 比較的安全性が高いと考えられている

  • 医薬品ではないため提案しやすい

  • 更年期や美容の悩みが重なる世代が多い

そのため、
「これだけで治る」という意味ではなく、選択肢の一つとして提示されているケースが多いのが実情です。

Q5.医師や美容の専門家が勧めているなら安心ですか?

A.
専門家が勧めているからといって、すべての人に同じ効果があるとは限りません。

プラセンタサプリメントは食品であり、効果や感じ方には大きな個人差があります。

「勧められた=必ず効く」ではなく、自分の体調や目的に合っているかを考える視点が大切です。

Q6.どのくらいの期間飲めば効果がわかりますか?

A.
明確な基準はありません。

研究や実際の使用例では、

  • 数週間〜数か月継続して

  • 体調や肌の変化を観察する

というケースが多いようです。

短期間で効果が出ないからといって、すぐに判断するのはおすすめしませんが、無理に続ける必要もありません。

Q7.副作用や注意点はありますか?

A.
多くの研究では、重大な副作用は報告されていません。

ただし、

  • アレルギー体質の方

  • 持病や治療中の方

  • 複数のサプリを併用している方

は注意が必要です。

体調に違和感が出た場合は、すぐに使用を中止し、医療機関に相談してください。

まとめ

プラセンタサプリメントは、

  • 更年期症状

  • 美容面

の双方において、一定の可能性が示唆されている成分 です。

しかし、

  • 医学的エビデンスは限定的

  • 効果には個人差が大きい

  • ホルモン補充の代替にはならない

という事実も忘れてはいけません。

不安な気持ちにつけ込まれるのではなく、理解した上で選ぶ。

それが、更年期を健やかに過ごすための大切な姿勢だと考えています。

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ハイジア 佐藤みはる

女性の更年期と更年期以降の健康をサポート・ハイジア代表  助産師・ウィメンズヘルスアドバイザー・メノポーズカウンセラー・分子栄養学アドバイザー。 助産師として大学病院に33年間勤務する。 2013年に退職しハイジアを開業。

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