コラム 婦人科受診

更年期障害の治療をしてくれる、近くの婦人科をネットから探すコツ

2023年12月19日

 

 

 

婦人科を受診したいけれどどこの病院を選べばいいのかわからない‥と言う話をよく聞きます。

確かに難しい

悩んでいるうちに、「行くのやめたー」「めんどくさい」とか「あとからにしよう」などとならないように、私の個人的な見解ですが婦人科の選び方、更年期診療をしてくれる病院・クリニックについて書いてみようと思います。

 

まず、更年期障害を診てくれるところを探しましょう。

 

更年期女性を診てくれる病院やクリニックを探すために次のサイトをクリックしてみてください。

 

日本女性医学学会 の左側の日本地図からお探しの地域をクリックします。
(研修を受け試験に合格し、専門医と認定された医師が探せます)

 

女性の健康とメノポーズ協会  右側 全国の婦人科更年期外来マップをクリックします。

(特に試験などなく、協会で認定された専門医ではありません)

 

すると、地域によっては、ものすごい数の病院名やクリニック名が出てきて、ますますわからなくなるかもしれませんが、でも安心してください、その先のサイトの見方をお伝えします。

 

産婦人科のある病院か、婦人科のクリニックか?

病院がいいのか、クリニックがいいのか迷うかもしれません。

 

病院と診療所(クリニック)の違いは病床数(入院患者用のベッド)が20床以上あるかないかです。 20床以上ある医療機関を「病院」、19床以下を「診療所(クリニック)」と呼びます。

クリニックは軽いけがや病気、慢性疾患などの患者様の治療が中心で地域の“かかりつけ医院”としての役割が大きく、病院は緊急搬送の対応や難病・重症の治療といった高度な医療技術や医療行為が受けられる医療機関となっています。

病院は診療所などからの紹介状を持たずに受診すると、初診料の他に「特別料金」が請求されます。特別料金(7000円以上)は、自己負担となります。

 

クリニックのメリットは①同じ医師に継続して診てもらえること②家の近くであれば通いやすいこと③午前午後や夜間、休日診療をしているところもあるので時間の都合がつきやすいこと④所要時間が短くてすむなど

デメリットは①必ずしも更年期の専門医ではない②婦人科以外の診療科受診が必要な時は他の病院やクリニックを受診しなくてはいけなくなる、その分時間と費用がかかる

 

病院のメリットは①更年期専門医がいる(いないこともある)②他の診療科を受診しやすい、連携をとってもらいやすい

 

デメリット①曜日や診療時間、1年サイクルで医師が変わる可能性があり同じ先生に継続的に診てもらいにくい②午前診療や曜日限定の診療が多く、夜間・休日の診療は行っていないことが多い③待ち時間が長くなることもある

 

このようなメリット・デメリットも理解したうえで、読み進めてください。

 

更年期による不調の多くは、緊急性や重症で命に関わる症状ではありません。

したがって、多くの場合はクリニックを受診することで、まずは良いかと思います。

 

但し、不安や不眠などの精神症状が強く「死にたい」「消えてしまいたい」「自分はいなくてもいい」などと思う場合は、希死念慮がありますので精神科がある病院で診てもらう方がよいかと考えます。

 

また、更年期症状と思っていても実は重大な病気が隠れていたり、もともとあった病気の悪化や影響を受けているかもしれません。そのような時は他の病気ではないかの鑑別が必要です。

 

病院ですと、他の病気を疑う場合は病院内の関係診療科にすぐ受診できるので良いでしょう。

 

ただ前述したように、診療費が高くなってしまうのでまずクリニックを受診し相談して紹介用紙を書いてもらうのも良いかと思います。

 

或いはかかりつけ医に相談して紹介用紙を書いてもらうといいですね。

 

紹介用紙を書いてもらうためには日にちがかかる場合もありますし、文書の費用として有料となることが多いですから、あらかじめ確認しておくのもいいかもしれません。

 

次にサイト内を見てみましょう。

 

病院名・クリニック名を見る

次のような病院名やクリニック名が並びます

 

その命名に特徴がでる場合がありますので説明します

 

〇〇(地名)ARTクリニック

ARTの意味は「生殖補助医療」になります。ARTとつく病院名・クリニック名ですと不妊症治療が中心の診療を行っていること病院・クリニックということがわかります。

〇〇マタニティクリニック

お産を取り扱っている病院やクリニックであることがわかります。お産に主に重点を置いているところもあれば、婦人科診療と半々くらいに取り扱っているところがあります。その中でも更年期診療があるかどうかはサイト内をもう少し読んでみましょう

〇〇ウィメンズ或いは〇〇レディースクリニック

婦人科という表記の代わりにウィメンズとかレディースとかを使っている印象があります。婦人科全般(婦人科疾患・不妊症治療・妊娠分娩など)を診てくれる可能性があります。その中でも更年期診療があるかどうかはサイト内をもう少し読んでみましょう。

 

医師紹介を見る

 

病院名やクリニック名をクリックしてサイト内を見てみましょう。

 

医師紹介或いは診療医師紹介などの項目で経歴などと一緒に載っていますのでを見て見ましょう。

 

読むとその先生の専門分野がわかることがあります。

 

所属学会や所有している認定制度などを見ます。

 

更年期に関するおもな学会は「日本女性医学学会」「更年期とヘルスケア学会」です。

 

認定制度は、「日本女性医学学会」の日本女性医学学会専門医、女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医 「更年期とヘルスケア学会」メノポーズカウンセラーなどがあります。

 

誤解してほしくないのはこれらの認定がないと、更年期診療ができないとか専門ではないということではありません。

 

診療科をみる

その病院やクリニックで診療している診療科を見ます。

産科と婦人科を別にしているところが大半ですので、婦人科を見てみましょう。

 

婦人科の中でも、腫瘍(癌)外来、不妊症外来、婦人科一般、更年期外来、女性アスリート外来などに分かれている場合があります。

 

更年期外来があれば更年期障害を専門に診てくれる先生がいます

 

女性外来がある病院もあります。これは更年期や乳がんをはじめ女性の健康を総合的に診てくれます。エストロゲンが減少すると、いろいろな病気になりやすいので、総合的にみてもらえる診療科は嬉しいところです。

 

それぞれの診療科について説明があると、親切ですね。特に更年期や更年期障害に関する記載があるかと安心です。

 

更年期に関するコラムやブログが書かれているか?

病院ですと難しいですが、クリニックの場合は院長や担当医師が、コラムやブログを書いている場合があります。

 

女性の健康や性差医療、更年期に関するコラムやブログがあれば読んでみてください。その先生の考え方や更年期医療への熱意が伝わってくるかと思います。

 

案外コラムやブログを読んだだけで、悩みが解消したりもします。

 

 

とは言っても・・

とは言ってもなかなか探せない場合もあるかと思います。

 

地元の婦人科は受診したくない・・という方もいます。

 

そのような時は、違う市や都道府県で探してみてください。

 

更年期の治療は、使う薬や方法が決まると3ヶ月に1度の受診で良くなります。

 

多少離れていても3ヶ月に1度の受診ならなんとかなるという方もいます。

 

函館の方が、札幌に受診に行くよりは新幹線に乗って東京に行った方が早い・・とおしゃったことがあります

 

また、治療法がきまれば、地元の婦人科に紹介用紙を書いてもらい、処方をお願いしてもらうという手段もあります。

 

また最近オンライン診療をしてくれるところもあります。

 

ピルの処方などが多いですが再診をオンラインでしてくれるところもありますので、探してみてください。

 

あきらめないで欲しいです。

 

一つ一つサイトを見て行くと、おもいのほかその医師の熱量が伝わってくるサイトとそうではないサイトがありました。

 

患者ファーストで作られているサイトもあれば、よくわからないサイトもありました。

 

今回の記事で、サイトの中からご自分にあった病院や心療科を見つけることのお手伝いができれば幸いです。

 

そして、医師との相性というのもあります、医師を変えてみるというのも大事な手段です。セカンドオピニオンを受けてみるのも一つです。

 

自分の健康のために、選ぶことが一番です。

 

こちらのコラムも参考になさってください

婦人科の選び方と受診のタイミング・受診時のポイント

 

ただし、どこの婦人科に受診するのが良いのか、人によって違いますので、どうしても迷うこともあると思います。

 

もし、お困りでしたらハイジアの相談もご利用ください。

受診する前のご相談も承ります。

 

 

 

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ハイジア 佐藤みはる

女性の更年期と更年期以降の健康をサポート・ハイジア代表  助産師・ウィメンズヘルスアドバイザー・メノポーズカウンセラー・分子栄養学アドバイザー。 助産師として大学病院に33年間勤務する。 2013年に退職しハイジアを開業。

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