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更年期と微小血管狭心症

2024年6月5日

胸を押さえる女性、胸痛

 

時々ご相談を受けるのが、「胸(背中)が突然痛くなり微小血管狭心症ではないかと思い内科を受診しても診断がつかない、どうすれば良いのだろう」というお悩みです。

 

札幌ではどこを受診すればよいのか・・と言う相談もあります。

 

更年期に関する本を読んでいると、微小血管狭心症のことは出てくるのですが、「ではどうすれば良いのか?」に関しては述べられていないことが多々あって、私自身も相談されて治療につなげたいと思ってもなかなか診てもらえるところがないのが現状です。

 

もともとアメブロに書いていた記事ですが、受診しても治療にはたどり着けていず、困っている女性がたくさんいるので、こちらにもう少し詳しく書きました。

 

今、できる範囲でお伝えします。

 

まず微小血管狭心症について、日本心臓財団のHPから「微小血管狭心症をご存じですか」樗木晶子(九州大学大学院医学研究院 保健学部門)先生の記事をわかりやすいように引用させていただき説明したいと思います。

 

微小血管性狭心症とは

 

微小血管狭心症の定義は、弁膜症や心筋症などの心臓の病気がまったくない方で、直径が100μm以下(髪毛の直径にほぼ等しい)の微小な冠動脈の拡張不全、収縮亢進のために心筋虚血が一時的に起こることによって胸部圧迫感が労作と無関係に安静時にも起こる狭心症

 

原因

発症する年齢は30代半ばから60代半ばで動脈硬化による狭心症に比べると若く、最も多いのは40代後半から50代前半の女性です。この時期はエストロゲンが減少し始めるとともに人生においても様々な問題をかかえ心臓に限らず心身の不調を感じる時期とも重なっています。
冠攣縮狭心症と同じように喫煙、寒冷、精神的ストレスなどが誘因となることも知られています。まだまだ、はっきりとした原因解明には至っていませんが、女性ホルモンが関与していることは確実なようです。

 

症状

呼吸困難感、吐き気、胃痛などの消化器症状、背部痛、顎やのど、耳の後部などへの放散痛、動悸など多彩な不定愁訴であることが多く、その持続時間も数分ではなく数時間に及ぶ

 

診断

発作時も心電図の変化に乏しく、心臓カテーテル検査による冠動脈造影によってもはっきり冠動脈の狭窄がみられないことが多いので診断に時間を要しますし、診断されてないこともある

 

予後

女性の微小血管狭心症の多くは、カルシウム拮抗薬に反応が良く症状も軽快し、その後、心筋梗塞や脳血管障害などを起こすことは少ない

 

予防

①医師も皆様も更年期前後の女性にこのような診断のつけにくい微小血管狭心症があることを知っておくこと

②血管内皮に障害をきたす原因になる高血圧、脂質異常症、糖尿病、メタボリック症候群などを適度な運動と食事で予防し、大量飲酒や喫煙をしないこと、ストレスをため込まないことで微小血管狭心症の発症も避ける

③エストロゲンに似た作用を持つイソフラボンは大豆などの食品に多く含まれ、わが国の伝統的な和食には多くの大豆食品があります。サプリメントなどをのまなくても日頃の食生活を見直す

治療

ニトロよりカルシウム拮抗薬であるジルチアゼム(ヘルベッサー)などのほうが特効薬である

 

今後の展望

今後、微小血管狭心症の基礎研究がさらに進んで確実に診断できる検査法の開発がのぞまれます。現時点では研究的検査として心臓カテーテル検査における冠血流予備能の測定や心負荷時の心筋から代謝される乳酸の測定、positron emission tomography (PET) を用いた検査などがあり、今後の展開が待たれます。

 

また、社会的に女性は適切な医療にアクセスできにくい状況がまだまだ見られます。男女の体の違いを知って医療において性差をふまえた診断や治療が普及してゆくことを願っています。

 

また、同HPの「セカンドオピニオン」から

微小血管狭心症ではないのでしょうか

「6年来の胸痛発作があり、このほど、カテーテル検査を受けましたが、血管の狭窄はなく、誘発試験でも血管攣縮は起こりませんでした。微小血管狭心症ではないか、と思い、主治医に相談しましたが、あまり取り合っていただけません。」

 

回答

とても分かりやすく説明されていますので、直接文章をお読みください

https://www.jhf.or.jp/action/2ndopinion/faq/post_2/

 

 

 

 

このHPにもあるように、私たちのまわりに、的確に診断し治療をしてくれる医師は極めて少ないのが現実です。

 

では、どうすればよいのでしょうか?

 

NO産生を増やすセルフケア

 

微少血管狭心症は、エストロゲンの減少によりNO産生も減少し心臓の末梢血管が狭くなって起きる病気です。

 

エストロゲンは増やすことはできませんが、食事や運動でNOの産生は増やすことができます。

 

詳しくは

更年期とNO(一酸化窒素)を増やす方法 をご参照ください。

 

エクオールサプリメント

 

エクオールサプリメントにも、NOを増やす作用があります。

 

ホルモン補充療法ができない方や、躊躇っている方にお勧めです。

 

サプリメントの選び方は、

安全で効果が得られるエクオールサプリの選び方 をご参照ください。

ポイントは、S-エクオールであること、1日10㎎摂取できるものを選ぶことです。

 

 

受診する

 

受診する場合、どこの病院を受診するかが問題です。

 

前述の日本心臓財団のHPの中にもあったように、循環器専門の医師でも微小血管狭心症に詳しくない医師もいます。

 

受診すると、「狭心症ではない」「気のせい」とか言われてしまい、非常に悲しい想いをします。

 

しかし、微小血管狭心症と思っていたら、別な病気だったということもあるので、その鑑別のためにも受診して診てもらうことは大切です。

 

そこで診断がつけば治療を受けると良いかと思います。

 

 

日本での微小血管狭心症の第一人者の天野惠子先生の著書があります。

 

「女の一生は女性ホルモンに支配されている!」という本の中にも微小血管狭心症のことが書かれていて「症状に思い当たる時は女性専門外来の循環器内科の医師にかかるとよいでしょう」と書いてあります。

 

女性専門外来は、こちらから探してください

http://www.nahw.or.jp/room

 

ただし、循環器を専門にしている医師がいるかどうかは難しいところ。

 

一番、近道なのは、天野惠子先生のいる「静風荘病院」を可能であれば受診することかもしれません。

 

ホルモン補充療法

 

エストロゲンの減少が要因なら、エストロゲンを補充すると良くなるかも・・と思いますね。

 

「ホルモン補充療法ガイドライン 2017年度版」のP105に「CQ107 冠攣縮および微小血管狭心症に対しHRTは有効か?」のANSWERとして「有効であるとする報告はあるが、積極的に推奨するだけのエビデンスに乏しい」と記述があります。

 

ですから、ホルモン補充療法を微小血管狭心症の治療として選択しない医師も多いのが難しいところです。

 

ただ、他に更年期の症状があって、生活に支障をきたしているならばホルモン補充療法の対象になります。

 

医師に相談してみましょう。

 

 

さいごに

 

以上が、今の時点で微小血管狭心症について私の立場から言えることです。

 

今後、診断のための検査、たとえばPETを用いた検査などが発達応用されたり、微小血管狭心症の認知が進んで治療効果が認められる可能性はあります。

 

あきらめずに、私たち女性が婦人科の医師や内科の医師にコンサルタントしていくことも大事ですね。

 

もし、相談にのって欲しいという方がいましたら、こちらからご予約ください。

 

 

更年期でお悩みの方へ

 

 

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ハイジア 佐藤みはる

女性の更年期と更年期以降の健康をサポート・ハイジア代表  助産師・ウィメンズヘルスアドバイザー・メノポーズカウンセラー・分子栄養学アドバイザー。 助産師として大学病院に33年間勤務する。 2013年に退職しハイジアを開業。

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