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更年期のサインを見逃さないで!自分の心と体に向き合おう

2023年6月20日

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更年期のサインを見逃さないで!自分の心と体に向き合おう

2023年6月20日

 

更年期のサインを見逃さないで

 

 

更年期は、閉経の前後5年間計10年間を言います。

 

閉経は最後の月経から1年間月経がないと、閉経したといい1年前の最後の月経の日が閉経年月日となります。

 

つまり閉経したとわかった時には更年期の10年間のうちのすでに6年間が過ぎていることになります。

 

いつ閉経するかは、人によって違うし、今の所予測はできないので、いつ自分が更年期に入るのか、入ったのかを正確には知ることができません。

 

後から思い返して、あの時のあれが更年期に入ったというサインだったかもな・・と思うくらいです。

 

しかし、これらのサインにどういうものがあるかをあらかじめ知っていると、出現してきたときに更年期かもと気がつくことができ、更年期の症状や更年期障害の早期の診断適切な時期に対策を講じることができます。

 

そうですね、40歳過ぎたら女性は、更年期のサインである微妙な変化に敏感であってほしいと思います。

 

では、どのようなサインなのでしょうか?一般に言われている更年期のサインをあげてみました。

 

私が更年期を卒業して思い返してみると、自分にいろいろサインがでていたのに、それらに気がついていない自分がいました。

 

私個人の経験で、皆に当てはまることではないですが、それでも少しは参考になるのではと思い、それぞれのサインに私の体験談も追記してみました。

 

ただ「更年期のサインがあてはまるから私は更年期で病気の心配はない」とか、「あてはまらないから更年期ではない」という確定にはなりません。

 

日常生活のあり方に原因があったり、鑑別しなくてはいけない他の病気のこともありますので、専門家に相談したり婦人科を受診したりもしてくださいね。

 

 

更年期のサインとは

 

私の経験から言うと何となく今までと違うと感じる時があり、また、そう感じる時がじわじわと増えていきます。

 

疲れやすくなった、疲れが取れない、傷が治りにくい、人の名前が出てこない、眠りが浅い、元気がでない、イライラする、そして月経が不規則になったなどなど

 

いつのまにかウェストがなくなり、気がつけば、おなかもポッコリと出て、合わせて体重も一気に増加していたと聞くことも多いです。

 

去年の服が着れない (スカートのファスナーがしまらない・・)、今まで、似合っていた服が似合わない、自分の好みと似あう服が乖離、鏡に映る自分が以前の自分ではない・・と感じることもあります。

 

やがてホットフラッシュ(ほてり)、不規則な月経、睡眠障害、イライラ感、気分の落ち込みなど卵巣の機能低下に伴ってホルモンの変動によって起きてくる症状が出てきます。

 

医学的に、この症状が出てきたら更年期が始まったとか、女性ホルモンの数値が〇〇だから更年期という定義はありません。

 

人に決められるのではなく自分が「更年期かも」と自覚するということが、一番大事なんですね。

 

自分の身体や心に現れる変化に敏感になっていましょう。

 

たとえば、以下のような変化はありませんか?

 

1.生理の変化: 更年期の最も一般的な兆候の1つは、生理周期の変化です。月経の周期が短くなったり、間隔が長くなったりなど不規則になり、また出血量がかする程度だったり多量になるときもあります。

 

(体験)私の閉経は54歳でした。50歳過ぎても生理があって「もういいのに!もう子どもは産まないし・・」と思っていました。早くなくならないかなーと祈っていました。周期が短くなったのは覚えていませんが、出血がサラサラでドッと出たのが数回ありました。白衣を着ていたのですが、2回ほど血液をつけてしてしまったことがあります。白衣の替えは休憩室にあったのですぐ着替えることができたのは幸いでした。着替えやナプキンの備えが必要ですし、ボトムは濃い色の方が安全ですね。

 

2.潮紅(ほてり): 突然の顔や首、上半身のほてりや発汗が起こることがあります。これは一時的なもので、数分から数時間続くことがあります。

 

(体験)私自身は、ほてりはありませんでした。更年期の症状としてほてり発汗は有名ですが、必ずしも全員に起きるわけではありません。しかし私は更年期に関する勉強をする前は、「ほてり・発汗がないから、私はまだ更年期ではない」と思っていました。でも勉強をしてみると実は立派な更年期症状満載な身体でしたよ。ハイジアの講座を聞きにきた方たちも、「自分はまだ更年期ではないと思っていたけど立派な更年期でしたー」と感想を言われる方も多いです。「ほてりがないからまだ更年期ではない・・」は、とんだ思い違いです。

 

3.睡眠障害: 寝付きが悪くなったり、夜中に目が覚めたりすることがあります。また、夜間の発汗や潮紅が睡眠を妨げることもあります。睡眠に満足感が得られなくなります。

 

(体験)私が、まず最初に辛さを感じたのは、眠れないことでした。布団に入っても不安感が迫ってきて考えたり、恐れて寝つけませんでした。不安感というのは、「私はどのようにして死ぬのだろうか?」と死ぬことが怖いとかではなく、死ぬ時の状況をあれこれ考えてしまいました。おかしいでしょ?

やっと寝たと思ったら目が覚めてまた同じ不安感に襲われる。そのまま結局眠れず起きる時間になったり眠れたとしてもすぐ起きる時間で無理やりおきなくてはならない状況で、いつも「眠たい」と思っていました。睡眠時間も4時間なかったり、仕事が休みの日に途中目が覚めながらTotalでやっと5時間というのが、2・3年続いたかと思います。
更年期のことを勉強した後にこれでは、ダメだと、ホルモン補充療法を受けてみようと決心した要因のひとつでもあります。相談を受ける方もほとんどの方が、不眠の症状を訴えます。いろいろな要因が重なっていることも多くなかなか手ごわいサインですが、早く対処することが大事だと思います。

 

4.気分の変化: イライラや不安、落ち込み、やる気がでないなどの気分の変化が現れることがあります。情緒が不安定になりやすく、ストレスへの対処能力が低下することがあります。

 

(体験) 当時、病院での仕事をしていてストレスも多く、落ち込んだり、やる気がでないという症状はありました。仕事量も多く、仕事は定時に終わることはなく残業することが多かったのですね。加えて前述のように睡眠も十分ではなく当時ストレステストをして受診していたら「うつ病」の診断がついていたのではないかと思うほど。

 

5.体の変化: 急な体重の増加や、ウェスト周りに脂肪がつくなどの変化があります。

 

(体験)健康診断の時に腹囲を測定しますが、ある時、前年より10cmも増えた時がありました。確かにスカートがきつくなったと感じてはいましたが。10㎝はびっくりです。でも次の年はマイナス5㎝になっていたので、前回は測定の間違いではないかと思っていますが、少なくても5㎝は増えていたのかも・・真実はわかりません。5㎝でもかなり増えたことになりますね。体重もそのころから増えていました。TVでトドが出てくると子供たちが笑うのです (笑) しかし、これが更年期のサインとは全く気付いていませんでした。

 

6.粘膜の変化:肌が乾燥し痒くなる、目が乾く、口が乾く、膣の潤いがなくなるなど、粘膜の乾燥が見られるます。

 

(体験)あまり肌のトラブルはありませんでしたが、胃の調子が良くなかったのを覚えています。消化不良?胃潰瘍?何が原因なのかわからない胃の不快感がありました。目や口の乾燥はあまり感じませんでしたが、更年期症状に粘膜が乾燥するとあるのを知って、自分の身体を振り返ってうなづきました。

 

7.性的な変化: 更年期には性的な変化が起こることもあります。性欲の減少、性行為時の不快感や乾燥感、性交痛、性的な満足感の減少などがあります。

 

(体験)確かに、「もうSexはいいや」と思ったことがありましたね。

 

8.頭痛: 更年期には頭痛が起こることがあります。もともとあった片頭痛の発作が増えることがあると言われています。

 

(体験)もともと片頭痛がありました。確かに片頭痛が多くなった時期があり、鎮痛剤を飲む機会が増えました。その時は育児も仕事も大変で片頭痛で寝ている時間もないので、やみくもに鎮痛剤に頼っていましたね。更年期を卒業するころには、片頭痛が起きる頻度が減りました。今現在(閉経後約10年)鎮痛剤を飲むことはほとんどありません。

 

9.めまい:グルグルと回転するようなめまいや、フワフワとした感じのめまいが起きることがあります。

 

(体験)今思えば、更年期の入り口あたりで、ぐるぐる回るめまいを経験しました。その時の状況を詳しく書いています
【体験談】40歳前半で起きた、めまいの体験談ーもしかして更年期
 

10.骨や関節の痛み: 朝起きた時に関節が動かない、骨や手指や他の関節の痛みや腰痛が現れることがあります。

 

(体験)比較的早期に感じていたのは、朝起きた時の足関節(踝)の強張りでした、ギクシャクとしか歩けないので。ゆっくりと転ばない様に歩いていました。動かしているうちに、また時間が過ぎるうちに強張りは取れ普通に歩けるようになります。このサインはホルモン補充療法を行ったことですぐに消失しています。その後更年期の後半、ホルモン補充療法を一時やめた時に出てきたのが指関節の痛みです。痛みは我慢できない痛みではないし、強烈な痛みとかではなく、シクシクと気がついたら指をさすっているような痛みです。手指の痛みを感じる方は、思いのほかたくさんいます。

 

11.性格の変化: 更年期には性格の変化が現れることがあります。イライラしやすくなって、家族や職場での人間関係がわるくなったりします。

 

(体験)イライラはありましたね。私の場合、PMSのイライラと違ったのは、いきなりプツンとスイッチが入ることでした。あまり表面には出さないつもりでしたが、きっと職場や家族はピリピリと感じていたと思います。子ども反抗期でしたが、仕事で家にいないことも多い、つまり子どもと接する時間もほとんどなかったので、不幸中の幸い?あまり衝突することはありませんでした。

 

12.集中力が低下したり、注意力が散漫になったりすることがあります。また、記憶力の低下や判断力の変化が出てきます。

 

(体験)これも早いうちに多くの方が感じるサインではないでしょうか?歳のせい・・で済ませていませんか?人の名前が出てこない・・顔は浮かぶのに、「アレアレあの人さぁ・・・」なんていう会話が多くなります。そしてホントに「ポカッ」と忘れるんですよね。何度肝を冷やしたことか・・。仕事への影響も莫大でした。もし早くに更年期のサインと気がついてそれなりに対策がとれていれば、アンナコトも、コンナコトも避けることができたのでは・・と思います。

 

13.尿トラブル: 更年期には尿トラブルが現れることがあります。頻尿や尿漏れ、尿路感染症の発生頻度の増加など。これは、更年期におけるホルモンの変化が関与している可能性があります。

 

(体験)膀胱炎とかは起こしたことはありませんが、おそらく骨盤底筋が弱くなってきたこともあり、ホルモン補充療法を中断したときに尿漏れが出てきました。出かけるのも嫌になる深刻な症状です。私の場合は、ホルモン補充療法をしていることで抑えられています。ホルモン補充療法を続けている理由の一つでもあります。ただ今でも外出時は我慢し過ぎないように頻繁にトイレに行っておく習性がついてしまっていますね。

 

14.薄毛や髪の質の変化: 更年期には、薄毛や髪の質の変化が現れることがあります。髪のボリュームが減少し、髪の毛が細くなったり、パサつきや抜け毛が増えます。

 

(体験)ある日ふと抜け毛が多いことに気がつきました。長男の産後にも大量に抜けましたが、匹敵するくらい抜けたかもしれません。毛髪は特にエストロゲンが影響しています。更年期のお悩みとしても多いですね。
詳しく、こちらのコラムに書いています。

更年期の抜け毛・薄毛の悩みーヘアケアと対策法
 

15.膣の変化: 更年期には膣の変化が起こることがあります。膣の乾燥感や痛みが現れることがあり、尿道感染症や膣炎のリスクも増加する可能性があります。

 

(体験)いつも付けていた下着が突然肌に合わなくなり、刺激があって苦痛になりました。それからは綿100%のショーツを探してつけていました。いつものナプキンも合わなくなりコットン100のものに替えた覚えがあります。また、潤いがなくなってショーツが皮膚にくっついてしまうということもありましたし、お風呂に入った時に膣に水が沁みて、もう風呂に入れなくなるのではと、密かに涙したことがあります。これは幸いに一度だけでしたが膣が乾燥して炎症を起こしていたのでしょう。

 

 

16.疲労感やエネルギーの低下: 更年期には疲労感や倦怠感が現れることがあります。日常的な活動や運動に対するエネルギーが低下し、疲れやすくなることが報告されています。また、睡眠の質の低下も疲労感を増加させる要因となります。

 

(体験)まさしく、まさしく・・です。とにかく疲労がとれず寝ても眠れずにかえって疲れた感じ・・、布団では眠れないのにソファでは眠れる、ソファと一体化して抜け出せない感じ・・、身体に鉛が入っているような身体のあちこちが痛い・・これらも今思えば、立派な更年期のサイン。当時は仕事のストレスと思ってあきらめていました。

 

いかがでしたか?このサインはないな・・とか、このサインはあるな・・とか思ったかと思います。

 

「あーー、やっぱり更年期か・・」と残念な気持ちだったり、そうかと安心したり複雑な心境ですね。

 

 

ただ、大事なことなので、もう一度言います。

 

「更年期のサインがあてはまるから私は更年期で病気の心配はない」とか、「あてはまらないから更年期ではない」という確定にはなりません。

 

日常生活のあり方に原因があったり、鑑別しなくてはいけない他の病気のこともありますので、専門家に相談したり婦人科を受診したりもしてくださいね。

 

参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

まとめ

ぜひ、皆様には更年期のサインを見逃さず、自分の体と向き合ってほしいと思います。

自分の健康を自覚することが、次のステップに向かう上で重要です。


また、迷ったら周りにサポートを求めたり専門家の助言を受けることも考えてくださいね。

 

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ハイジア 佐藤みはる

女性の更年期と更年期以降の健康をサポート・ハイジア代表  助産師・ウィメンズヘルスアドバイザー・メノポーズカウンセラー・分子栄養学アドバイザー。 助産師として大学病院に33年間勤務する。 2013年に退職しハイジアを開業。

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